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痴漢を撲滅するのは女性の役目ですか?

写真は、京都府警が4~5月に実施した、「痴漢犯罪等撲滅推進強化活動」で配布された啓発グッズです。

5月1日から実施とありますが、これが配布されていたのは4月28日です。

 

キーホルダー型の鏡とリーフレット。

「睨ミラー」と名付けられた鏡は、電車の中で痴漢に遭ったとき、鏡で自分の顔をチェックするふりをしながら、痴漢に、睨んだ顔の写真と「ちかん!! 見てるで~ 許さない! 鉄道警察隊」と書かれた面を向けることで、痴漢行為を止めさせようというもの。あるいは、カバンにつけておいて、電車の中でさりげなくアピール? 

でもこれ、人前でとり出すのには相当な勇気がいりそうです。

そういえば、リーフレットには、「あなたの勇気を全力で応援します」と書かれてありました。

 

リーフレットの中身を見ると、「痴漢を撃退! 10のメソッド」が。

その10項目を書き出してみましょう。

 

1 キョロキョロ男にご用心!

2 混雑した車両は注意!

3 混雑するドア付近も注意!

4 女性を味方に!

5 盗撮に注意!

6 痴漢の顔をにらむ

7 「やめて下さい」の一言を!

8 周りの人に知らせる!

9 痴漢から逃げる!

10 泣き寝入りをしない

 

並べた10項目の水準がバラバラで、テキトー感ハンパない感じ。

警察の痴漢対策への真剣度が知れるというものです。

撃退のメソッドといいつつ「ご用心」とか「注意」とか、はたまた「逃げる!」とは、これいかに。

だいたい、痴漢という犯罪を、虫かなんかと勘違いしてませんか? 追い払えばOK、じゃないでしょう。

被害者が逃げたら、加害者を撃退したことになるのですか?

たとえ、それ以降、被害に遭わなくなったからと言って、撃退できたのだということにはなりません。

逃げられたからといって、被害は帳消しになんてなりません。

 

リーフレットには「被害にあった時の対処法について紹介します」とありますが、隅から隅まで呼んでみても、その場で具体的に何をすればいいのか、全く分からないのですよ。

逃げるべきなんですか? 加害者に、やめてくださいと「お願い」すべきなんですか? 泣き寝入りしないとは何を求めているのですか?

 

警察に届けるときは、時間や場所、犯人の特徴を確認して、証拠があればそれも一緒に、ということですが、明示はしていないものの、「その場で」ではなく、「後で」届けに来くことが前提の書き方です。

犯罪だ、泣き寝入りをするな、勇気を持って届出よと言う割には、犯人を突き出すことを想定していない。

だから、「相談」して下さい、なんでしょう。

いや、今被害に遭ってるんだってば、犯人もここにいるんだってば。

けれど、リーフレットのどこを読んでも、被害に遭っている今、どうしたらいいのか、犯人の腕を掴んで叫ぶべきなのか、でも、周りの人が協力してくれなかったときはどうしたらいいのか、電車の中から110番するべきなのか、「冤罪ガー」って言われたときにはどうしたらいいのか、警察に行ったら何を訊かれどのくらいの時間がかかるのか・・・etc. が書かれていない。

被害者の置かれている状況や心情が分かっていないとしか思えないのです。

 

おまけに、このキャンペーンを知らせる公式FBでは、5月に入ると暖かくなり服装が薄着になるよね。 通学・通勤ラッシュの時には、駅や電車内での痴漢が増えます!  と、女性が薄着になることが痴漢行為を誘発するかのような、性暴力についての誤った認識(強姦神話)までまき散らしています。

 

この啓発キャンペーンは、(若い)女性にのみ啓発グッズを配布するというものでした。

啓発の対象は女性だけ。

痴漢は女性の問題なのでしょうか。

被害者になり得る女性が気をつければよい、そういう問題なのでしょうか。

リーフレットの表には、「痴漢は犯罪 少しの勇気で撃退できる」とあります。

撃退だか撲滅だかの責任まで、被害に遭った女性が負わなければならないのでしょうか?

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「助けて。」って、まだ言わなければいけませんか?

京都府警の、今年度のポスターのようです。

こちらは、京阪三条駅に掲示してあったもの。

掲示板からはみ出すほどのサイズ。

小さい、といっても、この右側にあるポスターとおなじくらい同じくらいのサイズのものもあり、それは、交番の掲示板等に貼られています。

 

このポスターを見て、「?」でいっぱいになってしまったのです。

何のポスター? 何が言いたいポスター? 誰に向けてのポスター? 

 

「助けて。」

その一言で動けます。

 

遠目には、それしか読めません。

それだけでは、ちょっと何が言いたいのか分かりません。

下の方に、「電車内の痴漢等の被害相談は京都府警察鉄道警察隊レディース相談」とあり、近寄って初めて、それが痴漢撲滅系ポスターだと分かるのです。

 

絵を見てみましょう。

口を開けた(若い)女性のアップです。

視線の先は、描かれていません。

ポスターのこちら側でもありません。

おそらく何か言っているのでしょう。

上には「助けて。」とあります。

この女性の言葉でしょうか。

でも、この女性が助けを求めているようには見えないのです。

背景に電車が描かれていますから、ここは駅のホームでしょうか。

電車に乗客はなく、通勤・通学の込み入った車内での痴漢被害、というイメージとはかけ離れています。

「助けて」と言いたい時は、被害に遭っているまさにその時なのですが。

 

分からないのは、やはり「助けて その一言で動けます」の意味です。

「助けて」と、女性が(ということにしておきましょう)助けを求めている相手は誰でしょうか。

乗客? 駅員? 警察官?

絵には描かれていません。

「助けて その一言で動けます」にも、聞き手が明示されていません。

まさか、痴漢被害に遭って、逃げようにも怖くて体が動かない、そんな時は「助けて」と声に出してみましょう、声が出せると金縛りが解けたように動けるようになります、そして逃げましょう……とか?

推測するに、助けを求めてくれたら自分たち(警察)は動けます、対策をとることができます、捜査ができます、ということなんでしょう(違う解釈があったら教えて下さい)。

だとすれば、このポスターは痴漢被害に遭った女性に、警察に「助けて」と言わせることが目的だということになります。

ここまで捻った絵や文言が必要でしょうか?

ポスターの目的や効果は、一目で分かることだと思うのですが、これは実に実にわかりにくい。

 

性暴力事件は、いわゆる暗数が多いと言われます。

でも、「助けて」と言わない被害者がいけないのでしょうか?

声が発せられるためには、それが聞き届けられるためには、聞き手の側に、聴くための能力や意識が備わっていることが必要です。

「耳」への信頼があってこそ、声を出す事が出来る、助けを求めることができる。

満員電車の中で、声を出した被害者を疎ましく思う乗客たちの姿を見たことのある人は、声をあげることを怖れるようになるでしょう。

学校で痴漢被害に遭ったことを話したら、同級生から容姿をからかわれた、そういう経験をしたことがある人は、誰かに相談することを躊躇うようになるでしょう。

「助けて」という声を出せないのは、それは、被害者の、女性の、警察に対する、社会に対する、不信感の表れととるべきなのです。その反省から出発すべきなのです。

なのに、この、被害者が言わないから自分たちは何もできないんだ、と、責任を押しつけるような姿勢。

 

成人女性の過半数が性被害経験者だという公的統計があります。

半数近くの女性が、痴漢被害経験者です(電車の中の痴漢に限りませんが)。

何とかして下さい、そういう「声」は聞こえませんか。

この時点で、「問題だ」「助けよう」という気にはならないのでしょうか。

 

そもそも、「助けて」と言う段階では、被害に遭っているんですよね。

被害に遭ったら言ってね、というのはあまりにも無責任ではないでしょうか。

既に被害に遭ってきている人は、更に被害に遭わないと助けて貰えないんでしょうか。

助けて欲しければ、もう一度触られて下さい、って言われているようにも聞こえます。

 

このポスターは、被害に遭っている女性に向けてつくられたものでしょう。

でも、被害に遭った人が、このポスターに描かれている女性に自分を重ねあわせるには無理があるように思えます。

そして、やはり、痴漢という犯罪の防止責任を被害当時者に負わせるような姿勢には疑問を持たざるを得ません。

加害者の不可視化、被害者に対する二次加害、痴漢は被害者や若い女性の問題だ(から、自分は関係がない)という社会の無関心の助長。

 

助けてと言う声に耳を塞ぎ続けているのは誰なのでしょうか。

 

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お国変われば…

お送りいただいた写真です。

こちらは、2012年に台湾の地下鉄台北車站で撮影されたものだそうです。

 

エスカレーターで、女性のスカートの下にスマホを差し出している男性が描かれた、盗撮に注意するよう呼びかけるポスターのようです。

一見、国内でよく見る、「盗撮注意」といった自衛を呼びかけるポスターに似ているように思えます。

 

けれど、違うのは、盗撮行為を知ったらすぐ通報するようにと、その具体的な方法まで、描かれていること。これによって、盗撮行為が通報すべき犯罪であることが明示されて、被害に遭ったり目撃した場合にどうしたらいいのかも分かります。

日本のポスターによくある、公的機関が、女性に対して常に警戒せよと脅迫するとか、無防備で警戒心がないと言って女性を非難するような雰囲気が見られないのもポイント。

悪いのは加害者で、守るべきは被害者、という(当たり前の)認識が、交通機関と警察にあるということなのでしょう。

 

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「許すな」は被害者に言うことですか?

お送り頂いた写真を紹介します。

撮影場所は、JR横浜線 中山駅。

改札横の掲示板に貼ってあったものだそうです。

 

留めてある画鋲の大きさからA4版の紙に印刷したものと推察するのですが、目を引くとも思えないこのチラシが掲示板に貼られて、一体どのくらいの人が読むのか気になるところです。

 

神奈川県警緑警察署が作成したチラシの対象は、加害者や乗客一般ではなく、被害者や、被害者になりうる人です。

それなのに、被害者に対する配慮や、被害者の不安や困難を受け止めようという姿勢が感じられません。

 

「電車内等の痴漢に注意!~許すな痴漢~」とタイトルが書かれていますが、「許すな痴漢」って、誰に命令しているのでしょうか。

「我慢したり、対策をとらないでいると…どんどんエスカレートします!」ともあり、加害者が犯行をエスカレートさせる原因が被害者にあるとでも言うようです。

 

「痴漢に遭ってしまったら」に列挙されている対策は、ポイントがズレています。声をあげられない、助けを求められない、身動きすら出来ないのが、痴漢被害者なのですから。

添えられたイラストも、珍妙です。これが、電車の中の痴漢行為を描いたものなのだとしたら、痴漢がどういうものか、被害者が置かれている状況がどういうものか、分かっていないとしか思えません。

被害者が声を出せなかったり、動けずにいたり、届出をしないのは、痴漢を許していることとは全く違います。なのに、「許すな」と被害者が言われてしまう。

 

このチラシが発しているのは、加害者のことは不問に付して、被害に遭った時の対処が悪いせいで、加害者の行為がエスカレートする、その責任は「痴漢を許してしまった」被害者にあるんですよ、というメッセージです。

これまでにも取り上げてきたような、被害者に原因があるかのような自衛の強要に加えて、加害行為への責任まで問われるのなら、どうして、被害者は公的な助けを求められるでしょう。

ただ、電車に乗っているだけなのに。

ただ、電車に乗りたいだけなのに。

 

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女性を守らない宣言

滋賀県警が出している、「なでしこ通信」。副題の「強くしなやかに自らを守る大和撫子たちのために」は、この情報発信の目的と宛先を意味しているということでしょうか。

 

毎月更新されているようで、こちらは今年の7月号。

こんなふうに始まります。

 

夏本番が近づいてきましたね。

ノースリーブや短パン姿で夜間にひとり歩きしている女性を見かけますがちょっと待って! 

自分は大丈夫なんて安心していると、危ないですよ!

 

続いて、6月までに性暴力事案で「被害届を受理した」件数と、事案の概要が記され、画面中央には,県内での発生数が地図に示されています。画面の下6分の1くらいには、注意事項が列挙されます。

 

夜道や人通りの少ない場所が危ない!

犯人は明るいうちに狙いを定め、女性を待ち伏せしたり、後をつけて暗がりで襲ってきます。

人通りの多い道を通るようにしましょう。

後ろを振り向いて警戒している様子を見せましょう。

防犯ブザーを見えるように持ちましょう。

 

さて。ノースリーブや短パン姿が、被害とどう関係するのでしょう? 何も書かれていないのですね。「ちょっと待って!」といわれて待ってみましたが、待ちぼうけです。短パン姿「だから」被害に遭うのですか? データも結論も書かれておらず、でも、女性の服装によって性暴力が誘発されるというイメージは、しっかり印象づけられています。 

また、夜間にひとり歩きといいますが、被害事例の中には、午後4時に通行中に被害に遭ったというものもあげられています。暗がりだから被害に遭うのではありませんよね。

 

「事実」と、この被害防止対策の前提になっている認識にはズレがあります。「事実」ではなく、ねじ曲げられた認識を前提にした、防犯指導なのです。これら前提が、偏見であり、強姦神話であり、誤った認識であることは、これまで多くの性暴力被害者に関わる人たちが指摘してきたことです。そして、こうした防犯指導によって、偏見や誤った認識がより強固になり、それが性暴力加害を生み、被害者を抑圧し…という負のループを構成していく。

また、警察が認知した性暴力事件ですら、既知の関係間に起こるものが少なくなく(強姦では検挙件数の過半数、強制わいせつでも4分の1以上が、親族を含めた面識あり事案)、ここにあげられているような「性犯罪=夜道のひとり歩きを狙われる」というステレオタイプが助長されることで、デートレイプのような「リアルレイプ」被害の申告を躊躇わせることにならないかという心配も出て来ます。

 

加害者とおぼしき男性にハートが描かれているのはどういうことでしょう。このハートは何を表しているのでしょうか。加害意志や加害者の感情をハートで表現してみたのでしょうか。その表現は、加害をあまりにも矮小化し、あたかも恋愛感情か何かのように描いていませんか。そして、加害責任を被害者に負わせてはいませんか。

 

画面の3分の1ものスペースを使った、発生件数を示した地図も、それを一般の人がどう解釈したらいいのか、どう使ったらいいのか、どう予防に役立てればいいのか、皆目分かりません。警察部内で、それぞれの警察署が発生件数の推移や防止を考える、その視点の垂れ流しにすぎない、と思えます。

それとも、こうしたデータとすらいえない情報を、自分の身を守るために活用する「高度な」リテラシーを持った女性になれ、ということでしょうか。それが、「強くしなやかに自らを守る大和撫子たち」なのでしょうか。だとしたら、そんな人などどこにもいません。

「大和撫子」は、男目線を意識した、しとやかで控えめで清楚な女を示す言葉です。警察が権力機関だということを差し引いても、「大和撫子たちのために」という言いまわしからにじみ出る上から目線には、たとえば50代の女性は想定されていないように思えます。

ある女性像を一方的に押しつけておきながら、自分のことは自分で守れという命令をする。これは、女性の主体性を剥奪しておきながら、責任は負わせるという、性暴力加害者のメンタリティに近いものを感じます。そして、警察は何もしません、女性を守りません、という宣言でもあります。

 

それから、、、本題とはズレますが、「強くしなやかに~守る」って、文としておかしくないですか。「強くしなやかな○○」(○○には名詞が入る)ならまだ分かりますけど。自分のことは自分で守れというだけじゃなくて、その守り方まで指示するなんて、それも、「強くしなやかに」って。いったいどうしろ…と?

まさかそれが、短パン穿かない、ブザー持ち歩く、だったりしないですよね。

 

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警察と犯罪者の責任を放棄するな。被害者に責任を押し付けるな。

 

ポスターの写真とコメントをお送りいただきました。
「その通りぃいいっ!」とテーブルをバンバン叩きながら叫びたくなるほど、納得のコメントです。
ぜひ、お読み下さい。一緒にバンバン叩きましょう。
 
 2016年7月7日に横浜市営地下鉄センター南駅で撮影しました。駅構内には同様のポスターが何枚も並べて貼られており、かなり目立っていました。
すみません、写真が少しぶれてしまっていて読みにくいですが下のほうの文字は「都筑警察署・都筑工場事業所防犯協会」と書かれています。

このポスターに限ったことではないですが、この手のものに「可愛らしい女性のイラスト」が使用されるのは何故なのでしょうか。一体誰を意識して、どのような意図を持って、「女性」を「愛らしく魅力的に」あるいは「弱々しそうに」描くことをしているのか甚だ疑問に思います。
「可愛いから襲いたくなってしまう」「弱そうで思い通りにしやすそう」という犯罪者の考えを代弁しているのでしょうか。何故そんなことをするのでしょうか。わざわざ「犯罪者の目線」で語るのは、「加害したくなってしまう」犯罪者の考えに共感し肯定する行為のように思います。

このポスターイラスト自体が犯罪者目線で描かれているのも意味がわかりません。「ながら歩きはやめましょう」と被害者に呼びかける内容でありながら、その目線は被害者でも、被害者に寄り添う支援者でもなく、犯罪者のものです。「ながら歩きをしているような隙だらけの人は襲いたくなっちゃうぞ」とでも言いたげです。犯罪者におびえる被害者の表情は犯罪を抑止するどころか、むしろ犯罪を企むような人間の嗜虐心を煽りそうです。「気付いたときにはもう遅い」というのも一体誰目線なのかわかりませんが、被害者を脅して恐怖を与え「自衛」を求めるという、犯罪防止の責任を被害者に押し付ける行為は、「警察署」や「防犯協会」を名乗る者のすることとは思えません。これではもし被害に遭っても「どうせ隙があったのだろう」などと非難されることが容易に想像できますから、通報する気にもなれませんし、犯罪者は野放しになることでしょう。

このポスターからは、犯罪者を非難する意図も被害者に寄り添う意図も少しも感じられず、むしろ犯罪者に共感し寄り添い、被害者を非難・脅迫する意図しか感じられません。一体何のための警察なのでしょうか。警察が積極的に犯罪者を免罪する空気を作ろうとしていることに強い怒りを感じます。犯罪が起こるのは被害者のふるまいのせいではなく、犯罪者が犯罪を犯したからに他なりません。「警察と犯罪者の責任を放棄するな。被害者に責任を押し付けるな。」と声を大にして言いたいです。

 

 

 

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018

警察においてポスターが作られるのは・・・

今回は、ポスターそのものではなく、ポスターはどんな風に制作・掲示されるのか、というお話です。

文字ばかりになりますが、お付き合いを。

 

少し前のものですが、元神奈川県警察本部長が、痴漢ポスターについて、在職中の経験を踏まえながら興味深いことを書いていました。

掲載されているのは、2004年3月23日付けの『日刊警察』。

これは、業界紙のようなもので、読者は警察職員です。

「チカン多発」というタイトルで第3面全面に書かれた記事は・・

 

 警察においてポスターが作られるのは時期も方法もまことに恣意的である。

「防犯運動の予算がついた。そのうちに広報宣伝名目のものが○○円ある。ポスターでも作るか」

「ところで、総務課にいるA君はなかなか絵心があるというではないか。彼に何か描いてくれるように頼んでみよう」

というくらいの段取りでコトは進んでしまう。どんなテーマで、どんなスローガンで、どんな図柄で、どんな大きさで…といった基礎的なことがほとんど議論も討議もなされぬままに進んでしまう。

 A君のアイディアによるポスターができてきたとしよう。

「そうか、できたか。マアマアだな。印刷は出来るだけ安くあげて、要所へ貼れ」

となって完結してしまう。ポスター作成マニュアルにあたるようなものは全くない。何人かの意見は聴取することがあるかもしれないが、文章に関しては一家言を有する輩はかなり居るとしても、絵や図に関してはほとんどが素人であるから「いいんじゃないですか」「結構でしょう」というようなことで済んでしまう。よほどその方面に自身のある人でない限り「もっと色を濃くした方がよい」とか「この図柄を真ん中にせよ」とかは言い出さない。

 何となく、意義なし、全員賛成で納まったように思ってしまうのだ。

 

なるほど、これまでの、警察が作ったとおぼしき痴漢撲滅系ポスターに、意図がぼんやりしたものや素人っぽさが見られるのは、そういうことだったのですね、と納得しました。

そして、この元本部長は、女性の夜道の一人歩きに警告を発するポスターに批判的です。あるエピソードを紹介した後、このように続けます。

 

 私ならもっと意地悪く次のようにいったかもしれない。

〈やむなく夜間一人で歩いて帰宅しなければならない女性の立場に立って考えてみたうえでこのことか? 母子家庭で母親が夜遅くなる職場に勤めているのだ。帰りは深夜になる。家までは毎晩タクシーというわけにはいかない。やむなく歩いているのであって、わざと好んでひとり歩きしているわけではない。このポスターの標語に忠実になろうとすれば母子は生きていけない。それを警察はなんの代替措置も考えずに勧告しようとしているのだ。冗談じゃない! マジか!〉

 以後、このことを肝に銘じて、安易な標語やスローガンのポスターを作ってはならないと注意してきた。そのつもりで現職を終えた。

 

意地悪くというくらいなので、おそらく極端な例を出してみたということなのでしょうが、いやはや、この認識は驚くばかりです。

深夜は女は出歩くべからずという前提があるからこそ出た、生きるためにやむなく深夜の一人歩きという事例です。深夜に歩けないと生きていけない、のだそうです。なんと、極端な。尚且つシングルマザー。なんでシングルマザーが、深夜に帰宅する事例として持ち出されるんでしょう。深夜まで残業して稼がないと子どもを育てられないから? 「夜遅くなる職場」と、どうやら職種限定のようです。「夜遅くなる職場」として警察が連想するのは、どんな仕事でしょうか。

 

よくもまあ、という認識が示されているのですが、この方はたいそう真面目に仰っているらしい。それどころか、従来の警察の性暴力認識や女性に対する見方に警鐘を鳴らし、女性の味方を気取っている風なのです。そして、それを自慢げに書いてしまう。

普通の会社員でも、プレゼンが近いとか、トラブルが発生したとかで定時に仕事が終わらず、帰宅が終電近くになることはあるでしょう。この筆者の職場でも、女性職員が夜遅くに帰宅することはあるでしょう。この方には、そういう普通のケースが見えていないんでしょう。働く女性の存在が、いや、女性の存在が見えていない。なんのことか分からない「このこと」を肝に銘じる前に、まわりをご覧になったらよろしいのに。

ポイントのずれたポスターが出来るのもさもありなん、であります。

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017

痴漢はあかんでぇ

このポスターは、2015年9月3日に京都市山科区の京都市営地下鉄山科駅付近で撮影したものです。

 

近年は、夏休み明けの、9月最初の週に電車内痴漢(被害)防止キャンペーンが行われることが多いようです。NHKのローカルニュースでも、キャンペーンの様子が紹介されていました。ニュースでは、制服姿の女性警察官が駅構内の通路に立って警戒し、他にも何人かの女性警察官が、通勤・通学中の女性に啓発資料を渡すシーンが流れていました。キャンペーンが行われる1週間は、同じ時間帯、管内の駅で制服警察官が同様のことを行うとの事。わたしがその駅に行ったのは、ニュースが流れた翌日の通勤・通学時間だったのですが、警察官を見ることは出来ませんでした。その代わり、このポスターを見つけました。

 

おそらく、署員の手作りなのでしょう。デザイン的にも、残念ながら、訴求力に欠けると言わざるを得ない仕上がり。白地に、白シャツを着た警察官の写真が配置されているので、人物が背景に埋もれてしまっています。

 

「あかん! あかん! チカン!! 盗撮!!」「あかん」「チカン」と韻を踏むのは関西のお約束でしょうか。そして「絶対に捕まえたるでぇ!!」 加害者に対するメッセージのようです。

でも、この文言を見て、痴漢に対して強い非難を示していると読めるでしょうか。むしろ、ふざけている、軽々しく扱っていると思いませんか。エクスクラメーションマークの多用が、余計にそう思わせます。

下部に、警察署の名前と代表電話が書かれていますが、それは何を意味するのでしょうか。被害者の相談窓口? 加害行為を見たらそこに連絡をする? まさか、掲示行為の責任所在を明らかにするためではないですよね。

 

写真は、笑顔で左手のひらをこちらに向ける制服姿の女性警察官と、これまた笑顔で手錠をかざす女性警察官。手のひらを相手に向けるのは、停止や拒絶の動作ですから、加害者への警告、痴漢行為をやめさせる意図でとられたポーズでしょう。手錠をかざすのも、痴漢は犯罪であり、警察は痴漢行為者を逮捕しますという意味が示されているのでしょう。「あかん」「捕まえたるでぇ」ですし。しかし、二人とも、笑顔なんですね。

加害者に笑顔を向けること自体、意味がよく分かりません。手のひらを向けて停止のポーズをとっていても、手錠を示して見せても、笑顔。ポーズの意図どころか、痴漢行為への非難も打ち消してしまっています。そこに痴漢に対する警察の真剣な姿勢や態度を見ることは困難です。被害者に対しては、痴漢には毅然とした態度で拒絶の意思を示せと指導されますが、どうしたことでしょう。

これを見て、被害者に勇気を出して相談せよと言われても、ムリというものです。被害者の事情聴取を担うことが多い女性警察官が、加害者に対して笑顔を向けるポスターを掲示する機関に、相談しようという気が起こるでしょうか。加害者が、このポスターを見て思いとどまるかも疑問です。

「チカン・盗撮は立派な犯罪です!」とありますが、写真からの真剣さが感じられないメッセージと、犯罪ですという言葉の矛盾ときたら。このポスターから一瞬にして受け取るのは、痴漢行為に対する取締機関の甘い認識です。「立派な犯罪です」という文言は、警察は警告しているんですよという、世間からの、痴漢に対する取締の甘さへの非難をかわすための、エクスキューズにすぎないんではないかとすら思います。

 

こうしたポスターに、公的機関の性暴力に対する認識が表れています。それが、ポスターを見た人たちに、「痴漢はこの程度」と思わせ、被害申告を躊躇わせるのです。

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016

キャンペーン、その前に

警察の性犯罪被害防止キャンペーンでよく見かけるのが、「女性を守るあいうえお」のような、防犯ポイントを列挙して、それらのはじめの文字を繋げて覚えやすくまとめ「合い言葉」にしたもの。

 

いくつか紹介しましょう。

 

福岡県警の「あぶない」

あ 明るい道を通って2人以上で帰る

ぶ ブザーを手に持ち防犯対策

な ながら歩きは絶対にしない

い いつでも周囲を警戒する

 

愛媛県警の「まグはあと」

ま まわりに気を配る

グ グッズを活用、警察に通報

は はなれる

あ あかるく人通りのある道を選ぶ

と とじまりをきちんと

 

大阪府警のレディの「けいたい」。

け ケータイは 話さず打たず 手に持って いざというとき110番

い いつもの道 暗い夜道や 無人道 一人歩きは気をつけようね

た 確かめよう 後ろの安全 振り向いて いつもどこでも 家の前でも

い 家の窓 玄関 ベランダ 鍵かけて 高層階でも 油断禁物

 

沖縄県警の女性を守る「あいうえお」。

あ 歩きスマホはやめましょう

い 「いやです」と断ろう

う 後ろを確認しよう

え 選んで歩こう明るく人の多い道

お 大きな声で助けを呼ぼう

 

これまでにも指摘した、性暴力の責任を被害者側に負わせていることや、被害者に対する二次加害になること、自責の念を抱かせて被害申告を躊躇わせる等々の問題はあるのですが。

それ以前に、このように注意を促されても、その手法にイヤーな感じがして、見る気・聞く気がしないという声もよく聞くのです。

サイトやポスター、チラシからにじみ出る、「女はこんなもの」という差別的なメッセージがそうさせるのです。

 

逆ならどうでしょう、男性の被害を防ぐための防犯キャンペーンを、同じように行ったとしたら。

「あいうえお」「あぶない」を実践しましょう、なんて書かれたら。

こじつけ感ハンパない合い言葉の。

不思議なイラスト入りで。

小馬鹿にされたと思いませんか?

内容以前に、拒絶したくなりませんか?

 

と、こんなものもありました。

栃木県警の被害を防ぐ合い言葉「きなこもち」。

き 周囲にを配る

な 携帯電話等のがら歩きをしない

こ 安易にじん情報を漏らさない

も 防犯グッズをつ 

ち 危険な場所をぇっくする

 

最初の一文字、というお約束をかなぐり捨て、力尽くでねじ伏せた感のある合い言葉です。

県民に覚えてもらえるか、実践してもらえるか、という観点よりも、合い言葉をつくるということに焦点が当たっている感が否めません。

そういえば、「気を配る」には、「注意する」意味と「配慮する」意味がありました。

まわりに配慮して、こんな風になってしまったという経緯と懺悔が込められている…わけはない、ですね。

 

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015

被害者はどこに?

これは、The Japanese police system today というタイトルの研究書に掲載されているポスターです。

本の著者はL. Craig Parker。

日本の警察組織についての概要が、北海道警や岡山県警への調査結果も織り交ぜながら整理されたもので、2001年に出版されています(英文です)。

本書に拠れば、このポスターは岡山県警製作・提供とのこと。

Crime prevention Cartoons として紹介されています。

 

ポスターのタイトルは「チカンを許すな! その勇気がチカンを追放します」。

描かれているのは、電車内で、制服姿の女子学生のスカートの中に、通勤途中のサラリーマンだと思われる男性が手を入れている絵(あるいは、スカートをめくって、手で女子学生のお尻をなでている)。

被害者の心情は、♡内に書かれた「どきっ」で示され、そこだけ見れば、何かにときめいているようでもあります。

男性の顔は、後ろを向いている上に、被害者の心の声「勇気ださなきゃ」の吹き出しに隠れて見えません。

絵の下には、相談所の連絡先と「被害者のプライバシーは厳守します」。

 

一見、被害者に、通報を呼び掛けているようです。

でも、この女子学生は「被害者」として描かれているんでしょうか? 

 

痴漢被害に遭った女性の、恐怖や不安や落胆や悔しさや…は描かれず、したがってそうした心情を受け止める警察の姿勢も描かれていません。

勇気を出すことのみが奨励され、勇気がないのは悪いことであるかのようでもあります。

 

勇気を出せという割には、応援する姿勢が感じられない。

被害者の心情を理解しているようにも思えません。

何をすべきなのか、警察は何をしてくれるのか、具体的なことも分かりません。

そんな状態で、勇気を出せといわれても、という感じ。

被害者保護なんて、遠い話です。

 (そうそう、このポスターが載っている前のページには、性犯罪被害者の保護対策が警察でとられるようになった経緯が書かれているのでした。本文にはポスターについて言及はないのですが、ページ構成からは、性犯罪被害者対策の流れでこのポスターが紹介されていると読めるのです)

 

もっといえば、この女性は被害者ではなく、犯罪者を突き出す「べき」第三者のようですらあります。

このポスターが、被害・加害を目撃した人に向けて描かれているのなら分かります。

目撃者の勇気が、被害者を守ります、チカンを追放します、と。

けれど、描かれている絵からも分かるように、このポスターのメッセージの宛先は被害者なのです。

それも、女子学生。

 

被害者の気持ちを理解する姿勢すら示さず(もしかしたら、理解しようとすらせず)、保護・支援する態度すら見せず、けれど被害者には勇気を出せ、というのはどうなんでしょう。

勇気を出さない被害者のせいで痴漢がなくならないのだといっているようなものではないでしょうか。

あなたは被害者ではない、といっているようなものではないでしょうか。

 

2001年に出版された本なので、ここに示された痴漢問題認識は古いのだと思いたいところではありますが。

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014

40年前の話? それとも

ある県警の部内機関誌に掲載された漫画です。

1974年に発行されたものなのですが、酷いというか、今でもというか、痴漢や被害者の「イメージ」をよく表していると思うので、ここにご紹介します。

 

作者は、所属名が書いてあるので、おそらく(男性)警察官でしょう。

内容は、①女性Aが痴漢被害に遭ったと叫ぶ ②警察官が駆けつける ③現場を確認するが加害者はいない ④女性は警察官に「別に被害はない」と言う ⑤警察官がその女性を家まで送る、それを見ている女性B ⑥女性Bが痴漢被害に遭ったと叫ぶ ⑦⑧警察官は女性Bの言い分を信じない 

女性Aは美人で小柄、性格も謙虚。

女性Bは美人とは言いがたく体も大柄、痴漢被害に遭ったと嘘をつく、とんでもない女として描かれています。

 

女性Bが「チカン!」と叫んでも、警察官が「うそ~」と疑ってかかるのは、外見から痴漢被害に遭うはずがないと判断した、つまり、ブスでデブな女を痴漢がねらうはずがない、と思っているからです。

その上、悪事を企む女として描く。

女性Aにしても、「キャー、チカン!」と叫んでいるのですから、何らかの被害に遭っているのですが、「別に被害はない」と言わせています。

警察が考える痴漢被害とは何なのでしょうね。

 

警察官がこういう漫画を描くこと、職員家族も読む機関誌に、おそらくは「面白く」読むべきものとして掲載されていたことに、ため息が出ます。

同時に、今でも同じような眼差しを、そこかしこで感じることにも。

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013

性犯罪について考えたことがないという男子学生が初めて考えたのが、どうすれば女性に自衛してもらえるか、であったという事実(長っ!)

昨日、京都府警が主催する「子どもと女性を守るシンポジウム――調査研究に基づく新たな犯罪抑止対策」が開かれました。

新聞報道によると、初めての試みなんだそう。

それではっ!ということで、プロジェクトメンバーも参加してまいりましたので、そのご報告。


シンポ行ってきましたが…。
一番の衝撃は○○の生徒が作ったアプリ3つ。

矢印で進む方向を決めて家路に着くゲーム。暗い道を選択するとモンスターが出てきてしまう。遭遇したら防犯グッズを使い撃退する。この部分は開発中、反撃すると犯人を逆上させてしまうと聞いたので、戦わずに逃げる方法を考えました。エッヘン( ̄^ ̄)。暗い道を避けて帰ってほしいから作りました。

アプリを作る前に警察の方から性暴力について教えてもらいました。
女子目線でみることができました(会場オッサン連中爆笑)
使う対象は女子なのでアイコンを可愛くしてみました。(バカにしてるの?しかも可愛くなかったし)

護身術を取り入れたダンス。これも警察から護身術を教わったとか。
護身術なんて役にたちませんから。後ろから抱きつかれたら屈んで逃げる?バカなの?前から抱きつかれたら金蹴り?怖っ。

警察の間違った教えを一生懸命取り入れた学生たち。

分科会にも参加、タイトルは被害者支援。被害者支援の内容はない。支援なんてひとつも語られなかった。
いちばん腹が立ったのは警務課犯罪被害者支援室 心理カウンセラーの言葉。
「私の経験上、警察に訴えた方が被害者は何か得るものがある。被害者は捜査に協力して」
言い方が非常に上から目線。協力して?全力で犯人捕まえます‼という気持ちはない、警察が協力してあげてるって感じ。どうして被害を届けでないのだろう、協力してあげるのに~。女性警察官取り揃えて待ってるのに~。まったくもう~。みたいな。

クビシメテヤロウカΣ( ̄皿 ̄;;

10年前に電車で痴漢を捕まえた女性が交通警察に痴漢と強制ワイセツの違いはなんですか?と聞いたら「勃起してるかしてないか」と言われたそうな。

記事にある6歳の子の証人尋問(*)は6時間行われたそうです。あり得ない。


司会者: (男の学生に)今まで性犯罪について考えたことありますか?

開発者の男子学生: いや、まったくないですね笑

会場で笑い声が…


*「記事にある6歳の子の証人尋問」

 京都地検の中村葉子総務部長が、過去に担当した事件について講演した。性的被害を受けた小学生の女児が長時間の証人尋問の結果、夢にうなされ、頭痛を引き起こすなど二次被害を負った事例を紹介し、「勇気を持って申告した被害者を苦しめてはいけない」と被害者への細やかな配慮が必要だと訴えた。(京都新聞)



レポートからは、呆れてモノも言えないでも何とかして言葉にしないとああ怒りが押さえきれん! というのがありありと伝わってきて、ご苦労様でしたとしか、言いようがありません。

参加した人たちは、その後、具合が悪くなったそうです…。


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012

目立たない痴漢ポスターって?

お送り頂いたポスターの紹介です。

撮影場所は、新京成電鉄の新津田沼駅(千葉)だそうです。

これは、反対側のホームから撮影されたもの。

ぐぐぐーっと寄ってみると、本年度の関東痴漢撲滅キャンペーンで作成されたポスターでした。

撮影者の感想は・・・ 


いまいちリアティーに欠けていて漫画の広告かと思いました。
色もカラフルではなく、ポスターと壁の色が似ており、
左右のポスターがカラフルなのもあいまって
とにかく目立たないという印象です。

 

確かに、両端のポスターの方がインパクトがありますね。

こうして、他のポスターと並べて貼られていると、一枚だけ貼られているものとは、同じポスターでも、ずいぶん印象が違います。

 

これまで、ポスターと言えば、作成者の意図が反映されたものとして読んできたのですが、貼付者の意図も重要だと気付かされました。

いくらポスターがよくても、貼られている場所が人目につかないところだったり、コメントを下さったように、壁や周囲の掲示物の影響を受けて目立たなくなってしまったりして、見てもらえなければ元も子もないわけですよね。

 

どこに、どんな風に貼られているのか。

こちらにも注目していきます。


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011

痴漢犯罪者の後悔は一生消えない・・・って?

お送り頂いたポスターのご紹介です。
2015年10月31日撮影。
福岡市地下鉄空港線「大濠公園駅」のホームの柱に貼ってあったものだそうです。
写真の感想も送って下さいました。
是非、お読み下さい。
頷けます。


ポスターを見た私の感想というか疑問に感じたことです。

ポスターには加害者へ向けて、「『チカン犯罪者』の後悔は、一生消えない」という言葉と共に懲役などの罰則も書かれてありますが、それは全て捕まってからということが前提ですよね?
被害に遭われた方々の話を見聞きする限りでは、痴漢は捕まらないことのほうが多いのではないでしょうか?
しかも「痴漢犯罪の罰則(常習)」とあります。何をもってして常習なのでしょうか?誰が判断するのでしょうか?
常習犯ほど捕まっても後悔していないから繰り返すのではないでしょうか?
また、一度や二度ならお咎めなしなのでしょうか?
でも被害者の方はそのたった一度で、「一生消えない」傷を負うことになります。
そもそも痴漢の加害者には被害者がひとりの人間というより、獲物としてしか見えていないと思うので、後悔を促したところで何ら響かないと思います。捕まって後悔するような人は最初から痴漢なんてしないのでは?
さらに、「被害にあった場合はすぐ110番」とありますが、被害に遭っている最中に110番するのは至難の業です。
ただでさえ怖い思いをしているのに加害者の目の前で通報なんて出来るわけがありません。
電車内で周囲に通報しているのを聞かれるのも嫌です。
たとえ通報できたとしても、警察はどこへ駆けつけてくれるのでしょうか?
次の到着駅だとしたら、目の前で通報された加害者は真っ先に逃げるに決まっていますよね。
あまり現実的な手段ではないように思います。
最後に、ポスターがボロボロなのと、手錠を掛けられている手のひらに「痴漢」とあるのが何だかなぁ、という感じです。


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010

脅迫・・・です。

静岡県警の犯人が語るシリーズ第二弾。

今度は、女性を襲った犯人です。

 

どんな女性を狙ったのか。

  ・一人で出歩いている女性

  ・ながら歩きをしている女性

  ・一人暮らしの女性

  ・窓を開けて寝ている女性

  ・「私は大丈夫」と思っている女性

 

うーん、これに該当しない女性って、一度も該当しなかった女性って、どのくらいいます?

(女性だけが被害に遭うのではないことを付け加えておきますが)

っていうか、この基準、おかしくないですか。

 

「私は大丈夫」と思っている女性というと、どんな人が思い浮かびますか。

体を鍛えている人、とか?

武道をやってる人、とか?

そういう人を選んでる? まさかね。

「私は大丈夫」と思っている女性を、どうやって選んだんでしょう?

心が読めるんでしょうか。

エスパーかなんかですか。

 

たとえば、夜道を歩いていて、後ろからある女性をつけていく。

警戒されていないようだから、襲った、として。

それは、警戒していない女性の問題ではなく、ましてや、彼女が「私は大丈夫」だと思っていたからではなく(警戒していないということと、大丈夫だと思っていることは違いますしね)、気付かれないように忍び寄っていった加害者や加害者の行為が問題なのです。

当たり前のことですが、警戒していないから襲ったって、何ら正当化になりませんし。

 

被害者の被害に遭ったときの状況と、加害者の心理や行動の順序や基準は違うのです。

それを混同して、加害者の悪質さを被害者の落ち度にすり替える、その論理性のなさにも驚きます。

 

(一人で)窓を開けて寝ている女性を、瞬時に狙えるわけがないのです。

一人暮らしかどうかを調べ、それが女性であるかどうか判断し、窓の開き具合を調べ、寝入るのを待つ、当然、侵入しやすいかどうか、目撃されにくいかどうかも確認し・・という下調べや時間の経過があるのですよ。

その行為は十分に不審じゃないですか。

警戒対象じゃないですか。

職質対象じゃないですか。

住居の外観から防犯的に問題があると判断されるのなら、警察があらかじめ対応しておくべきでしょう。

それをやらずに、被害を出した、それって、警察の「落ち度」じゃないんでしょうか。

こういうことを加害者に言わせるなんて、恥ずかしくないんでしょうか。

誇りと使命感はいずこ?

 

このページで警察が言っているのは、女は女だというだけで襲われるものだ。

全身全霊で24時間警戒しろ。

そういうことですよね。

不思議なことに、ここで、加害者は悪い人には書かれていないんですよ。

むしろ、有益なアドバイスをくれる先生扱い。

皆でありがたいお話を拝聴しましょう、みたいな。

「なるべく一人では外出しない方がいいんだけどね」

これ、笑うところですか。

 

「泣きたくなかったら、「ながら歩き」はやめることだね!」

泣きたくなるのはこっちの方です。

警察が、こうやって市民を脅す時代になってしまったんですね。

脅迫ですよ、これは。

こんな暴言が許されるんですね。

性暴力がデフォルトになってるんですね。

女性がそれを防ぐ努力をしなかったら、泣いて当然だ、と。

女性なんだから、と。

被害に遭ったら、それは自分の責任だ、と。

性犯罪は加害者の「犯罪」だと思っていましたが、警察では、被害者の責任案件になっているんですね。

加害者の口を借りている、という設定をつくれば、どんな暴言も許されますからね。

そのために、加害者を利用したんでしょう?


致命的なのは、加害者の言う通りに女性は自衛せよという警察の「指導」方法が、加害者が思い通りに性的に力を振るう、性暴力の構造そのままだということ。

女は言う事を聞け、男の言う通りにしろ、って言ってるんですから。

性暴力に遭いたくない女性は、「襲われたくない」なら何でもする、とお思いですか?

性暴力を振るわれるような権力構造そのものを否定しているんですよ。

そうした力が存在することが性暴力を可能にするんです。

 

加害者を問題にするのではなく、被害者に自衛の義務を強い、落ち度を責める。

そうした性暴力認識や態度こそが、加害者をのさばらせ、被害者に二次加害を与えている・・・って、20年以上前から言われてきたことですけれど。

それすらもご存じない?

もしかして、強姦神話という言葉もご存じない?


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009

加害者がルール?

静岡県警による、「あるちかんのひとり言」。

実際に逮捕された公然わいせつ犯の供述から作成したものとのこと。

痴漢の目から見た防犯対策を教えてくれるのだそうです。

 

「こんな女性を狙った!!」としてあげられているのは、一人で登校中の学生・生徒。

その理由は、一人だと恥ずかしがって警察に届けないことが多いから。

集団登校時には「人数が多いと、オレの顔を覚えられる可能性が高くなるからね。それに一致団結するとまったく驚いてくれないから、つまらない」から狙わないのだそう。

あれれ? おかしくないですか。

一人で登校中の学生・生徒を狙うのは、被害者が恥じて警察に届けないという「被害者の問題」じゃなくて、隠蔽できるとか、相手の反応を「楽しめる」とかいう、「加害者の都合」じゃないですか!

そこ、重要でしょう!

肝心要の部分でしょう!

被害者の問題にすり替えてどうするんですか。

防犯以前に、取調官の捜査能力に問題あり! と思われます。

 

 全体を通して、加害者の行為を批判しているように全く思えないんですよね。

「お楽しみ」だの「エッチ」だの犯罪行為を矮小化する文言で加害者の価値観を垂れ流して、「性犯罪」は大したことのない犯罪だ、と警察が公認しているようなものです。

本来は、犯罪行為を「エッチ」だとか「お楽しみ」とか平気で言える加害者の認識を糾すべきでしょうに。

 

犯罪者、なんですよね?

なんだか、この人の言う通りにしないといけないような雰囲気なんですけど。

犯罪者の言う事がルールですか?

この通りにしないと狙われるぞ、とでも?

被害に遭いたくなかったら、言う通りにしろ、とか?

 

これを読んだ人が、いいことを聞いた、気をつけよう、と思うでしょうか。 

被害に遭ったことのある人が、もう遭いたくないと思って、これを読もうという気になるでしょうか。

読む人の気持ちになって、このページをつくったのでしょうか。

この気持ち悪い(失礼!)ページを、読んでくれると本当に思ったのでしょうか。

 

このページの一番下に、犯人がシマシマの囚人服を着て足に鎖をつけられ、檻(でしょう、あれは!)に入れられているイラストがあります。

これが警察が市民に提供するイメージとしての加害者の姿ですか。

曲がりなりにも、司法機関である警察が、犯罪者の人権侵害イラストを載せるのはどうしたものでしょう!

こうしたイメージを流布させることが、むしろ、性暴力犯罪に対する社会の理解を妨げているのだと思いますよ。

 

気になるのは、これを参考にして加害行為に及ぶ人がでないか、ということですが。

もちろん、静岡県警は、この「ひとり言」のアドバイスに沿った警戒活動は万全なんですよね?

 

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008

警察で女性が活躍すると・・・

性犯罪は許さない!

犯罪被害に遭う女性をなくしたい。

女性自身の心掛け、それで防げる被害もあるはずです。

できることから、一緒にはじめましょう。

被害に遭わないために、私たちにできる3ステップ。

1 夜道では「ながら歩きはしない」「ときどき振り返る」常に周囲に警戒を!

2 「帰ったら、すぐにロック!」ロックするまで気を抜かない。

3 「危ない!」と思ったら大声・逃げる・防犯ブザーの活用」を!

 

 

一見すると、被害に遭わないよう、女性にアドバイスをしているようなポスターです。

女性が女性に向けて、親身になっている風でもある。

 

でも、なんでしょうか、この、モヤモヤ感。

引っかかる感じ。

 

以前から言われているように、これ、自衛しろキャンペーンです。

ひっくりかえせば、被害に遭った女が悪い、落ち度があった、っていう。

「女性自身の心掛け、それで防げる被害もあるはずです」だそうですからね。

犯罪被害が心がけの問題にされてしまってます。

その上、「はずです」ときました。

思いっきり責めてます! 落ち度、責めてます!

被害防止義務があるってことなんですね。

警察は、といえば、犯罪被害にある女性をなくしたい、といいながら、何もしない、って言ってます。

女性が自分で防ぎなさい、って言ってます。

 

この制服を着た女性は、宮城県の防犯広報大使のタレントさんなんだそうです。

コスプレ感すごいです。

制服を着て、巻き髪。

あ・り・え・な・い。

そして、この斜めのポージング!

なんですか、これ。

女性タレントに過度な女を装わせた上で「性的な」ポーズをとらせて、性犯罪防止義務を語らせる、っていう。

上野千鶴子さんの“処女喪失作”『セクシィ・ギャルの大研究』(2009 岩波文庫)を読み返したくなりました。

女であること、性的であることを、この上なく強調しています。

(だいたい、女性警察官の制服姿のイメージ自体が、性的なモノとして流通してますからね)

 

このポスターからにじみ出る、メッセージはこうです。

女は性的であれ。

だけど自衛しろ。

だから、自衛しろ。

それは女の義務である。

・・・男の「性」は野放しですか?

 

女性の活躍だとかShine!だとかいわれていますが、警察で女性が活躍云々っていう話になると、こんなことになっちゃうんですね。

油断したらダメなんだそうですよ。

被害に遭わないように、警察にお願いされるんですよ。

(っていうか、これじゃ、警察いらないんでは?)

こんな状態で、被害に遭って、被害申告できますか?

でも、通報しなかったら新たな被害が起きると非難されるわけですよ。

男性警察官がこれをやれば、二次被害と言われるけれど、女性警察官がやったのならば、同性からのアドバイスとして受け入れられるとでも思っているんでしょうか。

戦時中の、隣組的な女性の貞操管理を彷彿とさせる・・・なんて言ったら言い過ぎですか。

女に女の性の管理をさせておけば男は何もしなくていい。

そういう考え方が、性暴力を容認していると思いますけどね。

 

最後に、当たり前のことを。

性暴力は加害者ありき、です。

 

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007

あかんで。

チカンはあかんで。

ゼッタイあかんで。


みんなでチカン追放!!

 

ちかん被害相談所 

 

大阪府鉄道警察隊・大阪府鉄道警察連絡協議会が作成。

 

痴漢にレッドカード!

「チカン」と「あかん」と韻を踏んで。

「あかんで」の二度付け。

大阪人らしく、上手いこと言うたった、って感じのコピーでしょうか。

 

加害者に向けて、痴漢行為は「あかんで」と説くポスターのようです。

でも、「あかん」っていうレベルの問題なんでしょうか。

何度もいいますけど、犯罪ですよね、痴漢って。

これを見て、加害者は「あかんのか、ほな、止めとこ」とは思わないですよね。

「あかん」と分かってて、やってるわけですから。

 

それとも、「みんなでチカン追放」とありますから、「あかん」という空気をつくりましょう、ということでしょうか。

痴漢を許さない気運の醸成、みたいな。

でも、「あかんで」と書かれたポスターに、申し訳ないですけど、痴漢をなくそうという真剣さを感じられないんですよね。

「チカンはあかんで」の、チカンの部分に他の犯罪名を入れてみると、その感じが分かると思いますよ。

強盗とか、殺人とか、誘拐とか。

あり得ないでしょう。

チカンなら許される?

そう思ったあなたは、性暴力のなんたるかを知らなさすぎます。

ゴチックの書体も、ゆるい感じを醸し出していますし。

「みんなで追放!!」と書かれていますが、どうしたら追放できるのか、それを教えて欲しいところです。


女性に向けたポスターには、日常生活に支障が出るくらい、事細かに「警戒」するよう指示が書かれるのに対して、加害者には「あかんで」レベルなのか。

ポスターをつくることが目的じゃないんですから。

 

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006

通報願います。

こちらは、投稿下さった写真。

(ありがとうございます!)

 

撮影日時は、10月2日 16時頃。

東京メトロ・半蔵門駅のエスカレーターの下に張ってあったものだそうです。

 

大胆な色合いの、目を引くポスターです。

大きな文字で「痴漢・盗撮許さない!」。

右下に、握り拳をつくった女性が二人、一人はセーラー服姿の学生ですね。

大きな目でこちらを見て、「許さない!」と言っています。

そして、女性警察官の顔の画の下には、「見かけたら通報願います。」とありますから、警察に通報して下さいということでしょうか。

 

作成者は、麹町警察署・麹町古物商防犯協力会。

駅貼りの、電車内痴漢や駅構内の盗撮防止ポスターに、なんで古物商?

調べてみると、古物商防犯協力会というのは、「古物商により組織された防犯ボランティア団体」なんだそうです。

古物を商う場合には公安委員会の許可が必要で、盗品が持ち込まれる恐れもあったりすることから、古物商は何かと警察とつながりのあるところなんですね。

そういうご縁で、日頃から防犯活動を行っているそうです。

 

このポスター、「見かけたら通報願います。」ですから、目撃者に通報を呼び掛けるものですよね?

被害者に被害申告を勧めるものでも、痴漢や盗撮者に加害行為を止めさせるものでもなく、目撃者が宛先。

しかし、どこを見ても、通報先の記載がない!

どこに通報すれば?

それとも、駅員に通報?

その間に、加害者はどこかに行ってしまいそう。

その場で叫ぶ?

いや、それは通報じゃないし。

110番しましょうか?

でも、110番するのも、初めての人には敷居が高いですよね。

盗撮を目撃して110番することに躊躇してしまう人、いるかもしれませんし。

 

むむむ、惜しいというか何というか。

署員の手作り感満載の、課のプリンターでつくってラミネートパウチしました的なポスターとは違い(それはそれでOKなのですが)、お金はかけていそうなのに。


と、思ったら、ポスターの左上に「防犯カメラ作動中」のシールが!

案外、こっちのシール方が、犯罪抑止効果があったりして。

もしかして、このポスターの真の目的は、シールに目を向けさせるためだったりして。

いやいや、そんなうがった見方はいけませんよね。

・・・えーっと。

ポスターとシールの相乗効果で、痴漢や盗撮犯がいなくなるといいですね。


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005

肌の露出はひかえな(さ)い

我が家を管轄する交番が出している「交番だより」の9月号が届きました。

紙面の多くを割いて、性犯罪に注意を呼び掛け、夜道で被害に遭わないための注意点をご指導下さっています。

そこに「肌の露出をひかえ」るように書かれていて、驚きました。

これって、肌の露出が多い人が性犯罪に遭いやすいってことですか?

加害者は、そういう人を狙う?

加害者が、服装に触発される?

その因果関係については、これまでも問題にされてきましたので、肌の露出は関係ない! と申しておきましょう。

 

所変わって、上の画は、大阪府警が2013年に、車上狙い防止のための防犯キャラクターとして送り出した、逢坂ケイコという萌えキャラです。

HPによると、ポスター2万2000枚、チラシ20万枚を作成し、関係団体や企業、自治体等と連携して配布したとのこと。

大阪府警察防犯情報ツイッターでも、「♡逢坂ケイコです♡皆さーん、おひさしぶり!」「ケイコからのお願い!」「春風にのってケイコたんがオートバイデビュー!」と、好き放題、いや、ご活用されていました。

最近は見ないように思うのですが、どうしたのでしょうか。

 

逢坂ケイコは、20歳の女子大学生という設定です。

図柄には何種類かのバージョンがあるのですが、顔アップのものは、猫耳もどきのリボンなどつけていて、どう頑張っても20歳に見えない。

作者は七六氏だそうです。

他にも、千葉県警キャラクターなどお描きになっているそう。

 

それにしても、なんでしょうか、このスカート。

お辞儀したら、おパンツ丸見えですよ、なミニ丈です。

(いや、もう、見えていそうだ)

本来なら、若い女性(!)の着こなしに難癖をつけるのはよろしくないんでしょうが、これを公式キャラクターに採用したのは、つまり、この服を「着せた」のは警察ですからね。

彼女がバイクデビューをした3月は、まだ肌寒かったと思うのですが、 えらい積極的に、肌を露出させております。

もっとも、スカート丈が短いとはいえ、バイクで上手く隠して、画像としては、足は見えないようになっていますね。

スカート丈が短いこと=足が丸見えなこと、は見る者には明らかなのですが、表現として、丸見えの足は描かれていない。

なんだか、わいせつ物取り締まりを見ているようです。

見えなきゃいい、心の目では見えてても。

 

防犯ポスターに、こうした「萌え」を使いながら、女性には性犯罪に遭わないように自衛しろと指導する、一見矛盾した「防犯活動」をどう考えたら良いでしょうか。

下着が見えるような、足丸出しの服を着せた萌え絵を使って人の目を引くことは歓迎される一方、男を挑発するから、そのような服を着た女は被害に遭っても仕方が無いとみなされるから、肌を露出する服は着るなという。

画だから問題はないのでしょうか?

それとも、大阪と他府県は意見が違うとでも言うのでしょうか?

大阪は、肌の露出に寛容?

だから、強制わいせつ罪の認知件数が5年連続ワースト1なんでしょうか?

まさか!

 

矛盾なんかではないのでしょう。

男性の性欲を自然なものとし、性的消費の対象として女性を見る、だからこそ、女性にだけ自衛を求める。

自分たちの性的な眼差し、その欲求は自然なものとして正当化するからこそ、人目を引く対象として、躊躇うことなく「萌え」を使い、女性に自衛を求める。

そして、こうした警察の眼差しが、二次加害を生んでいるのではないでしょうか。

 

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004

夜道の歩き方、教えます?

大阪市営地下鉄の駅に貼ってあるポスター。

作成は、大阪府警の性犯罪相談・ウーマンライン。

「知ってる? 夜道の歩き方!」と題して、夜道の歩き方を教えてくれるのです。

 

スマホのながら歩きは×

人通りが多く明るい道を選ぶ

時々、後ろを振り返る

これであなた防犯ガール! 

  

ハートマーク♡をちりばめた、ファンシーな画。

対象は、若い女の子限定。

そもそも防犯ガールって何? 

山ガールや美ジョガー、歴女的な?

ざっとまとめると、自衛しろ、というメッセージを、昔ながらの夜道の一人歩きに注意、ではなく、具体的な行動として示し、文字と画を取り混ぜてフレンドリーに、女性目線でやってみましたというところでしょうか。

聞けば、高校の掲示板に貼ってあるところもあるそうです。

 

まず、一枚の啓発ポスターとして、いかがなものでしょう。

チラシだとか、小冊子に掲載されているのならともかく、駅貼りポスターでこれは、失礼ながら、目にとまらない。

こんな程度でいいと思われているんだな、この程度の扱いなんだな「性犯罪」は、ということが見て取れます。

(ツイッターで紹介したところ、「コマ割りの基礎もできてない」というリプもありました・・)

 

ここに、内閣府が出している性暴力についての資料があります。

10ページ目に「性暴力にまつわる誤解」という項目があり、それによると、内閣府が行った調査では、性暴力(レイプ)被害の約8割が顔見知りによるものであったのに対し、警察が把握する性犯罪事件では、見知らぬものによる被害が約8割と、その比率が逆転しているとのこと。

顔見知りによる事件は被害者が届け出を躊躇しがちであるというだけでなく、被害者が警察に行っても事件にはならないと言われる事もあり、そうした警察の判断も、この逆転の要因の一つです。

内閣府の調査は「異性から無理やり性交された経験」の有無について尋ねたもので、強制わいせつ罪に該当する行為も含めた警察統計と厳密に比較できるものではありませんが、それでも、「レイプは夜道で見知らぬ人から」というのは「誤解」であることが公的にも明言されているのです。

大阪府警はこのことをご存じないのでしょうか?

犯罪統計に被害の実態が反映されていないのは、立件可能か否かという警察の判断が大いに影響しているというのに、それでも、被害実態からかけ離れた統計にしがみついて、性犯罪被害防止のための自衛対策を推し進めるのでしょうか。

あるいは、夜道で被害に遭う女性がいる限りは、啓発活動を行うべきだと考えているのでしょうか。

そうだとすれば。

そのことによって、多くの女性が、この啓発活動によって自分にも責任があったのだと自責の念に苦しみ、被害申告を躊躇し、結果として、より多くの性暴力を潜在化させる可能性があることは、どう考えるのでしょう。

また、当たり前のことですが、被害に遭うのは「若い女の子」だけではありません。

このポスターを見て辛い思いをしている人たちがいることに、思いを馳せたことはあるでしょうか。

 

実践と知識の混同も問題です。

知ってることと実践する・できることは違います。

彼女たちが「知らない」から、警察の期待する自衛手段をとってくれないと思っているのでしょうか。

 

そもそも、正しい「夜道の歩き方」なんてあるんでしょうか。

なぜ、それが「ある」んでしょうか。

あるとしたら、それは、誰が決めるんでしょうか。

男性の「性欲」を自然化した上で、若い女性たるもの、いついかなる時も加害行為が起こる、女であるというだけで「獲物」になる、その前提で自衛意識を持って、日常生活を送るべしという「規範」を押しつけようとしているからでしょう。

その「規範」に、警察がどっぷり浸かっているからでしょう。

その「規範」こそが、加害者を性暴力に向かわせているというのに。

 

性暴力は加害者ありきです。

加害者にアプローチせずに、女性にのみ自衛を求め、自衛を怠る人に厳しい視線を向けることは、本末転倒も甚だしい。

被害申告をした女性たちに非難の言葉を浴びせる警察官がいることは、これまでにも指摘されてきましたが、その二次加害行為も、こうした認識によるものです。

 

ポスターとは離れますが、福岡県警のとある署の生活安全課長が「危機管理意識を常に持って行動してほしい」と述べた記事を読み、驚愕しました。

危機管理意識を! 常に!

自衛の強要ですよね。 

これ、戦時中の話ですか?

それ、普通の生活を送る人たちがすべきことでしょうか?

先にも紹介したように、性暴力の多くは、既知の関係の中で起こります。

家庭でも学校でも、地域でも。

もう、どこにも安心・安全(この言葉、警察は好きですよね)な場所はないということですね。

警察官による性暴力事件も、毎日のように報道されていますから、警察に行くにも警戒しなければなりません。

まさに、危機管理意識を常に!

 

交通ルールを守りましょう的な感覚なんでしょうか。

四六時中、性犯罪に遭わないように警戒して生活しろというのでしょうか。

それを普通の生活として、定着させろとでもいうのでしょうか?

そのこと自体、おかしくないですか?

性暴力被害に遭わないために生活を送っているのではないのです。

 

「性犯罪」は性的自由の侵害行為ですが、それを防ぐ目的でなされる自衛の強要は、性的自由の保護どころか、性的自由の侵害といってもいいものなのです。

なぜか。

そこで、女性が知るべきだとされているのは、自分の性ではなく、男性の性であり、性欲であり、性行動であり、性意識だからです。

当然視されているゆえにあからさまに言語化されることは余りありませんが、女性の自衛強要の背景にあるのは、「もっと男の欲望を知れ」ということ。

その上で、対処せよ、その責任は女にあるということ。

一方で、性的自由の行使のために必要な、女性が自分の性を守り慈しみ謳歌するための性教育は、どうでしょう。

警察を管理する国家公安委員会の委員長である山谷えり子参議院議員が、具体的な性教育はすべきでなくセックスは結婚してから、と述べて話題になりましたっけ。

これのどこが、性的自由の保護でしょう。

 

夜道の歩き方を教えるポスターで想定されているのは、夜道の一人歩きの女性を狙った犯罪です。

もし被害に遭ったなら、何はともあれ110番ではないですか。

全力で警察官が駆けつける案件でしょう。

そんな前提のポスターにあるのは、「相談電話」の連絡先。

ポスター自体が語っているじゃないですか “その程度” なのだと。

警察に通報する問題ではないと性暴力(加害)を軽視して、一方で、自衛しろという。

この価値観が、メッセージとしてこのポスターからあふれ出ているのです。

「何で女にだけ」と女性たちが不快感を示すのは、当然すぎる反応だと思います。

 

・・・って、どれもこれも、30年前から言われてきたことですけどね。 

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被害に遭うな、という命令

町内会で回ってくる「交番だより」から。

「痴漢にご注意!」と題して、夜間における痴漢被害連続発生情報と、女性の自衛を求める記事です。

でも、その下の、「事件事故情報」を見れば、性被害の発生件数はゼロ。

あれれ? 連続発生してるんでは? 被害者はどこに?


この矛盾を解明すべく、仮説を立ててみました。


①被害はこの交番が管轄する地域では起こっていないが、警察署や府県レベルでは発生している。 

②被害者は届けたが、警察は「事件」とは認めなかった。 

③届けられてもいないが、自衛を求めるために、連続発生していることにして書いてみた。


①なら、情報提供レベルでアウト。警察署管内の発生数であっても、「連続発生」というならば、知らせるべきでありましょう。
②なら、性暴力被害の矮小化でアウト。被害の届け出を「相談」のレベルに落として、事件とみなさないわけですから。実は、この②って、痴漢被害ではよくよく起こっていることです。 
③なら、問答無用でアウト。よく、「夏になると~」「女性が薄着になると~」と、始まる、警察の啓発活動を報道する記事が書かれますが、ちゃんと根拠も書いて欲しいですね。担当者や記者の思い込み(強姦神話!)ダダ漏れだったりしますから。

それにしても、「被害に遭わないようにしましょう」という文言の恐ろしさ。
気をつけましょう、ですらなくて、被害に遭わないように、なんです。
こんな事を言われたら、被害に遭ってしまった時に、気軽に届け出できないですよ。
被害に遭うこと自体が禁止されている。
なるほど、性暴力被害者の落ち度が責められるのは、「被害に遭うな」という命令を破った、その罰としてなんですね。
「落ち度」があったからではなくて、被害に遭ったから、遡及的に責められる。

ちなみにこの「交番だより」の発行交番は、平成なでしこ交番といいまして、女性警察官が常駐している交番です。
女性がいながら、この性暴力認識。
それとも、女性警察官だから、というべきでしょうか。
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「ユルセナイ」と言われても。

京都府警・鉄道警察隊が出しているポスターです。

新聞報道によれば、公募に寄せられた5点から選んだ優秀作品の一つとのこと。

 

制作者は女子大学生。

「痴漢されたら声を上げてほしい」との思いを込めた、んだそうです。

あれ? 許せないんだから、加害者に向けたメッセージかと思いきや、被害を受けた人に向けてのものだったんですね。

ポスターを見ただけでは、分かりませんでした。

 

じつのところ、何がしたいのかが分からないのです。

被害者に届け出を勧めたいのか。

加害行為に及ぼうとしている人に警告したいのか。

加害者を責めたいのか。

メッセージが中途半端で、「あ-、何か言うてるなー」くらいの印象。


経緯はともかく、このポスターは警察が出しているわけです。

責任の所在は警察にある。

原画を「編集」したのは警察。

けれど、警察の姿勢は全く見えないんです。

「ユルセナイ」と言いつつ、被害者に対するメッセージだというし、相談連絡先は書いてありますが、犯罪というより「相談」レベルだっていうことだし、積極的に警察に相談させる文言も見当たりません。

見た人に、どうして欲しいんでしょうか。


許せないと被害者に語らせる、それだけ。

被害者の言っていることを、とりあえずお伝えします、という感じ。

その声を受けて、警察が何をするのか、何をしてくれるのかが分からない。

 

痴漢に遭ったら「相談」しなさい、それって、これまで受けた被害を犯罪として事件化しようという意思は警察にはない、ということですよね。

相談に行ったところで、得られるのは、今後被害に遭わないためのアドバイスとか、見回りしますという言質とか、そういうレベルなんだな、というのが、行く前に見えてしまいませんか。

 

痴漢が問題になってるみたいだから、イベント的に、なんか、やってみました。

そんな感じなんでしょうか。

交通安全運動っぽい。

マナーを守りましょうとか、違反切符きりますよ、的な。

でも、痴漢って、犯罪なのだし、被害者がいるのだし、それは性暴力という重大な人権侵害なんですよね。

 

あと。

付け加えるならば……「レディース相談」というネーミングセンスはいかがなものか。

 

 

 

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痴漢は犯罪・・・で?

記念すべき初投稿はこのポスター。

8月13日 JR西日本・天満駅  

阪急十三駅でも、確認されています。

作成者は、大阪府鉄道警察連絡協議会/大阪府鉄道警察隊(大阪府警鉄道警察隊の間違い?)。

 

「痴漢は犯罪」・・・そりゃそやろ!

「一瞬の過ちが一生を左右する」・・・はい?

 

加害者(予備軍)に向けたメッセージですね。

軽ーい気持ちで触ろうとしているかもしれないが、罪は重いよ、一瞬の邪な気持ちで一生を棒に振るよ、やめなはれ、という。

あなたが損をするからおやめなさい。

加害行為を思いとどまらせるポスターなのに、この論法ですよ。

それとも、これくらい被害者をバカにした文言を使わないと、加害者に届かないと考えたのでしょうか。

それに、「一瞬の過ち」なんでしょうか。

多くの加害者は、事前に考え、狙い、意図して痴漢行為に及んでいますよ。

 

下の方には、「列車内チカン被害相談」の連絡先が記されていて(それも、小さい!)、こんな、加害者に向けた加害行為を矮小化するようなポスターの文言を見て、被害者が連絡するかな-、とも思ったりするのですね。

むしろ、加害行為をやめられない人向けの、相談電話番号を記した方がいいんでは、とも思ったり。

しかし、うがった見方をすれば、被害者の落ち度や責任が問題にされることはよくあることで、被害者の方こそ、「一瞬の過ち」は一生を左右するんだから常に緊張感をもって自衛しろ、と言われているわけですから、被害者に向けた隠れメッセージと受け取れないこともない。

 

ところで、左下の「ショックを受けているような人」は、加害者でしょうか、被害者でしょうか。

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